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s-k-dream_plot010.JPG当物語のバトルフィールド「信濃国」です。
物語を読む上で、結構重要なベースになりますので、是非ご一見ください!

2008年05月07日

品第567:副将(第12章5節「信濃守護対諏訪郡代」5)

 こうして高白斎は守られた。甲府の守り方を一番知ってる彼が、長時の下に出せばたまったものではないのだ。
 武田の軍事機密が丸裸にされる危険性が出るからだ。
 とはいえこれで、荒神山の件に入れる。
 信方の主張は、
「先に侵略したのは、藤沢勢ら連合軍です。我等の諏訪が荒らされた以上、諏訪郡代の守護権の発動は正等です!」
 と言うもので、長時の方は、
「荒神山は我等信濃守護の守護権によって守られておる。それと我が辰野の関所を壊した事は、我等に対する宣戦布告と言えよう。」
 と食いついた。
「城や館なら分かりますが、関所で宣戦布告を訴える器の小さな守護など、聞いた事ありませんな。」
 と信方は言い返し、両者共に譲らない。
 しかしその中でも、今日の交渉で両者何らかの合意を出すという意味では、成果を出さなければならない。
 これは、信方から訴えた。
「ならば、我が武田から、この一件の中心にいる証人を一人迎えたい!」
 長時はそれならと、
「高白斎か?」
 と問う。信方は首を横に振る。
「いいえ、駒井高白斎は即蟄居です。その代わり『副将』を迎えます。」
「副将か。それはその現場を良く知る者だという意味じゃな?」
「御意っ。」
「良かろう。そうなればこちらからも、きゃつ等連合軍から、それに相当する者を迎えよう。それで荒神山や諏訪での一軒の、より詳しい情報を奴等に求めさせるのじゃな。」
「いかにも!」
 こうして、五分のまま交渉を一時中断させた。再開は四日後の二十一日と決まった。

 長時は、すぐさま藤沢権次郎の出頭を命じて、使者を派遣させた。
 権次郎は、無論荒神山に包囲されてはいるが、信濃守護権の発動に対して晴信は抵抗しないよう、包囲する甘利虎泰に命じているので、長時の使者は権次郎を迎えるために入城し、説得して二十日の昼までには、権次郎を小笠原屋敷まで連れてきたのである。
 一方の信方は、諏訪に戻らず、宿営先の兎川寺から早馬を使って、この件を上原城の晴信に知らせた。これが十八日の事である。
 晴信は書状を読む。
「成る程、副将とは考えたものよ…。」
 この日に高白斎は、蟄居の為に甲府に護送されたから、この場にはいないが、残りの諸将と軍勢九百はそのままである。
 勘助や先発隊の諸将は、晴信と同じ広間で様子を窺っていた。
 虎定が苦笑いする。
「ウチの部隊に、副将なんていたか?」
 勘助は静かに笑う。皆もつられて笑った。



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