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s-k-dream_plot010.JPG当物語のバトルフィールド「信濃国」です。
物語を読む上で、結構重要なベースになりますので、是非ご一見ください!

2008年05月06日

品第565:駆け引き(第12章5節「信濃守護対諏訪郡代」3)

 信府とも呼ばれる信濃国の府中とは、今の松本中心地とは違う。その少し東に外れた、薄川沿いにある山城、林城の麓にある小笠原家屋敷を軸とした城下町の事を指す。
 信濃国の中心部に位置し、道路網もここを中心に信濃全域に網の目の様に広がっているという、発展した町である。
 少し西に外れた深志(ここが今の松本の中心地)も河川交通が盛んで、一族支配が強い交通の要所で、城の規模こそ小さいが、物資が豊富に行き交いする経済都市だ。
 だから経済的に見るなら、この二つの町は一心同体的な感じもする。

 板垣信方は、小笠原屋敷で長時と和睦交渉している。そこにはおよそ五・六千の軍勢が集まっている。何時でも出陣出来る状況だ。
 林に小笠原長時の軍勢、上原に武田晴信の本隊。この大きな抑止力が存在する事で、先ずは五分の条件となる。
 最初の交渉で、武田先発隊撤退と共に福与城の藤沢氏と下伊那連合に、追撃禁止の守護権を発動させた。これで条件五分となる。
 次に荒神山砦の撤退条件だが、これが難航した。それに加えて、十八日の交渉で駒井高白斎の、撤退遅延行為が取りざたされた。
「貴様はこのワシを愚弄するか?」
 長時の言葉は、低く迫力を与えた。信方も高白斎をかばう。
「軍勢を扱う以上は、臨機応変な指揮力が鉄則です。聞けば砦の打ち壊しが送れて、夜に荒神山に到着したというではないですか。あれで諏訪まで戻れと言うには酷です。」
「その遅れが、ワザとではないのか?」
「藤沢軍とて、我等の敵である以上信用なりません。解体中に襲われたらたまりません。」
「ワシの使者を出したのじゃ。止まる。」
「たとえ小笠原様の威厳で、福与や下伊那が大人しくなっても、問題は高遠(諏訪頼継)という存在があるという事です。」
「遅延は遅延じゃ。責任はとって貰う!」
「諏訪郡代の名にかけて、高遠を捕らえる事を責任と判断します!」
 信方と長時の交渉は、ものすごい緊迫の中で一進一退を繰り返す。
「小笠原様がそこまで言うならば、駒井の謹慎とその後の完全な隠居処分で認めましょう。」
「ならん。こちらに連れてきて事情を確かめさせる。信濃守護として、駒井高白斎の(信濃)府中への出張を求める。」
「軍勢のやる事に遅延は付き物です。長時様がそれを求めるならば、今までに誰に行ったのか、その前例を全てお聞かせ願いたい!」
 海野出兵に対する村上・諏訪氏は撤退を二日遅れた。管領家と諏訪家の戦いも、戦い自体は違反行為だ。
 しかし、瀬沢は長時様が瀬沢を甲斐と黙認して、甲斐守護の防衛的立場が取れた。諏訪郡内の守護権はないと長時自身が認めた。
(ちっ、嫌な男じゃ…。)
 長時は信方の狡猾ぶりに手を焼く。むしろ劣勢感さえ感じた。
 信方は武田の戦争にはルールがあるが、他家は破ってばかりと主張したいみたいだ。



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この記事へのコメント
先日は、私のブログに足跡を残して下さり
どうもありがとうございました。

宜しければ、また遊びに来て下さいね。
Posted by 絢香 at 2008年05月06日 10:14
>絢香さま
お書き込みありがとうございます。
これからもご訪問していきたいと思います。

こちらもご贔屓おねがいします。
Posted by くらき@管理人 at 2008年05月07日 00:59
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