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これは戦国武将小笠原長時が愛した「小笠原牡丹」です。
5月中旬が見ごろ!純白がとても綺麗な花です♪
16日にこれを写メしに、松本まで行きました。

2009年01月14日

品第1011:妄想と志賀城(21章5節「小田井原合戦(三)」5)

 小田井原合戦大勝利の報告は、晴信や志賀城を包囲する各部隊にももたらされる。
 誰もが喜び叫んだ。
 それは夜でも、志賀城にざわめきが聞こえる程だ。
 三の郭を占拠している部隊からも、自慢たっぷりに大声で志賀城に教える。
「やい、上州勢は破れて、尻尾を巻いて逃げたぞ。ザマを見ろ!」
「ワハハハハ!」
 それを聞いた笠原清繁と高田憲頼。
 焦りをあらわにしながら重臣たちを集め、本郭で軍議を開いた。佐奈姫や佳織も来ていた。
「どうする?」
「どうする?」
 と誰もが悩む。
 しかし憲頼は、
「う、嘘じゃ。味方は二万人じゃぞ。それで負けるわけが無い!」
 と立ちあがり、叫んで信じなかった。
 それだけいれば、たとえ上原兵庫みたいな合戦知らずの文官であっても、勝てるはず。そう思った。
 しかし兵庫の敵前逃亡(勘助の謀略に引っ掛かった為)と副官近田真孔斎の死は、当然知らされていない。
 清繁も信じたくなかった。
「たとえ偏狭の小事と言われても、憲頼殿の言うとおり、二万もの大軍勢で負けるわけが無い。きっとここに来る!」
 これに家臣達は、不安ながらも頷いて信じるしかなかった。
 家臣達も信じたくなかったからである。
 しかし、佳織だけは疑った。
(河越の件があるじゃない。)
 それで提案する。
「私、見に行きます。」
 しかし、誰もが反対した。
 清繁も反対した。
「やり手の山師を城外出しても、殆どが戻らないのじゃぞ。それだけ武田の警戒は強いのじゃ。それでお前みたいな華奢なおなごが見に行っても、報告に帰れる訳が無い。」
 そう言われると、佳織も従うしかない。
 それに家臣の中には、
「フン、逃げて降伏する気じゃろう!」
 等と吐き捨てる。佳織も当然怒る。
「逃げません!なんで降伏しないといけないのですか!」
 そう強く反論して、黙らせた。
 軍議の雰囲気は、援軍が負けたなど信じたくないという事で一杯になっている。
 しかし佳織は、そんな雰囲気は、非常に気味が悪くて嫌だ。
(これじゃ妄想よ。負けた訳が無いって、確かな情報が何も無いのに、敵に支配される前に妄想に支配されたら、大変な事になるわ!)
 強行なまでに籠城する側に、えてしてあり得る事だ。
 これも姫時代に、勘助が修行時代の話やよもやま話で語った事でもある。
 やはり確かめるしかないのか、佳織は悩んだ。



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posted by 久良岐 満 at 06:59| Comment(0) | 第21章「小田井原合戦」(了) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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