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Image004.jpg 2月23日より、1日1回更新となります。ご迷惑おかけしますが、今後も御贔屓にお願いします。

これは戦国武将小笠原長時が愛した「小笠原牡丹」です。
5月中旬が見ごろ!純白がとても綺麗な花です♪
16日にこれを写メしに、松本まで行きました。

2008年11月18日

品第907:未亡人、芹ヶ谷山百合(19章5節「法度施行前」4)

 芹ヶ谷雪之進、元はハルの雇われ浪人で、笠原清繁に士官が叶った若者だが、先年の河越決戦で行方知れずになっている。
 一年以上も帰らないのなら、死んだと同じだ。
 ハルは、雪之進が山百合を思っているのは知っていた。でも、片思いだった。
 山百合の頭の中には、未だに勘助だ。既に死んだ男を未だに思い続ける所はハルと同じかもしれない。
 しかし、山百合は戸惑う。
「そんな、福島でいいではありませんか?」
「都合が悪いんじゃよ。奥に入るには、余所者じゃ駄目なんだ。新参でも、芹ヶ谷の方が都合がいい。」
 そう説得された。それに話はその線でもう進んでいる。変更は効かない。
 ハルは山百合の肩をポンと軽く叩く。
「何時でも会えるけど、ま、一応お別れだ。長屋も向こうが用意してくれたし、明日からは芹ヶ谷山百合で頑張ってくれや。」
 そう言われて、ハルが去っていった。
 何時も自分の知らない所で話が進む。でも逆らえないし、武士の女に戻れるのだ。
 でも山百合は福島佳織という大国今川家の重臣で、かつ国人領主の娘なのだし、それが足軽の女房という設定にされたのだ。
 喜べるわけがない。
 でも、雪之進は嫌いじゃない。同世代だったし、友人みたいな感覚で接していた。

 山百合はすぐに荷物をまとめて、翌日にはハルの屋敷を出て行った。
 とはいえ、山百合の新しい長屋は同じ城下である。距離も商人通りと武家屋敷郡の差でしかないから、めっぽう近い。
 だから引越しも、ミトイやホノミ、赤霧・松霧・桜霧も一緒に手伝ってくれた。
 しかし荷物は多くないし、直ぐに片付いてしまった。
「有難うね、みんな。」
 山百合は感謝した。
「山百合さんがいないと寂しいよ。」
 などと言われるが、
「そんな、何時だって遊びにおいでよ。近いんだから。」
 身分は違えど、一緒に生きてきた仲間である。武将の娘だった山百合も、なんだかそんな武家のプライドがなくなっている。

 山百合の笠原屋敷入りは五月九日である。台所での雑用から始まるが、その前に清繁と妻のいる場所まで案内されて、挨拶する。
「芹ヶ谷山百合です…。」
 清繁はなにげなく、
「表を上げよ。」
 と言って山百合の顔を見た。正直一目ぼれした。思わず心の臓が止まるかのような、目が覚める程の美人だ。目の前に美人の妻がいるのに…。
 妻もそれには敏感に察知したようだ。



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posted by 久良岐 満 at 18:59| Comment(0) | 第19章「甲州法度施行」(了) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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